社会の重要なインフラである病院が診療を続けていくには、健全な経営・運営が欠かせませんが、病院運営には、人口構造の変化をはじめ、医療人材不足や医療従事者の働き方改革、病院の機能分化・連携、病院建物の老朽化や機能更新など、さまざまな対応が迫られています。なかでも、病院建替えには、建替え資金の調達や開発に係る各種行政協議など、多大な手間や時間がかかり、現在、築年の経過した病院の建替え・医療機能の更新が進んでいないといわれ、社会的な課題の一つとなっています。
三菱地所グループでは、医療機関が直面する病院建替えの課題に対し、当社グループの総合力を利用し、移転先土地の探索から工事発注、プロジェクトマネジメント全般を医療法人様に代わり実施して、円滑な建替えと事業の継続を支援します。
下記手法のように、当社にて病院不動産(病院土地・建物等)に投資し、医療法人様が建物借家でご入居・病院運営を行う手法をご提案可能です。病院建替えにおける煩雑な開発業務を外部化し、建替えまたは新規開業プロジェクトの確実な推進をご支援します。不動産を持たざる経営により、初期コスト低減・平準化を目指し、借入金を増やさず財務適正化を図ります。また節税効果も見込める場合があります。

  • ①建替えプロジェクトの推進
    ・マネジメント業務の外部化

  • ②当社の土地建物投資による
    初期コスト低減・平準化

  • ③不動産オフバランスによる
    財務適正化・節税効果

ソリューション①:土地・建物の賃貸借による病院運営

CASE 1

  • 新先土地を探索し、並行して移転に向けた設計検討を行います。
  • 新築移転先の土地を弊社にて取得します。
  • 弊社にて新築建物を工事発注し、新築建物竣工後は借家にて医療法人様にご入居いただきます。

ソリューション②:建物の賃貸借による病院運営

CASE 2

  • 土地資産を保持されたい法人様日してのソリューションとなります。
  • 既存ご所有土地を移転先として活用いただくまたは、新築移転先土地を探索し医療法人様にて土地取得いただきます。
  • 弊社にて土地を借地させていただき、借地権付き建物として新築建物を工事発注し、
    新築建物竣工後は借家にて医療法人様に入居いただきます。

※新築建物を医療法人様と区分所有とするスキームも検討可能です。区分所有により建替え補助金を医療法人様が受領可能となる場合もあります。
※なお、上記ソリューションを用いながら、行政側と都度ご相談し建替え補助金の申請が検討できる場合がございますので、ご相談ください。

期待される効果

初期効果

  • 開発に係る建設協議・行政協議等の推進業務の外部化
  • 初期コスト低減(各種税関係、建設コストの低減)
  • 移転に係る経営分析(外部パートナーとの協業)
  • 移転元の不動産の有効活用を合わせた一体的ご提案

継続効果

  • 建物運営費負担の外部化(長期修繕費、建物固定資産税)
  • 建物修繕計画等の手間削減
  • 金融機関からの借入削減
  • 建物複合機能化による、経済条件(家賃)低減の可能性

事例

北海道

(仮称)札幌南徳洲会病院建替計画

概要

■所在地 北海道札幌市清田区
■建物構造・規模 RC造、一部S造
■延床面積 7,180.76㎡
■用途 88床(一般48床、ホスピス40床)
人工透析(25床)
■竣工時期 2021年5月(予定)

札幌南病院は開院より約34年が経ち、主に緩和ケアを柱として展開し、2003年には徳洲会グループ初の緩和ケア病棟を開設。関連のホームケアクリニック札幌や緩和ケア訪看ST札幌と連携し、病院・自宅を問わず患者さんの望む緩和ケア(ホスピス)が提供できる体制を整えてきました。そして、建物や設備の老朽化が進んだことにより新築移転を検討。
当社は、医療法人徳洲会が所有・運営する「札幌南徳洲会病院」について、診察・入院機能を継続しながら病院の機能更新を行うため、新たに病院施設を開発して移転する計画を立てました。竣工後は当社が病院施設を保有して医療法人徳洲会に賃貸し、医療法人徳洲会が2021年夏頃より運営を開始する予定。

開発コンセプト

徳洲会グループの理念「生命だけは平等だ」と札幌南徳洲会病院の理念「ホスピスのこころを大切にする病院」の融合

すべての患者に目が届き、スタッフの機動力を最大限まで高め、最良の医療・ケアを平等に提供できる病院、患者に寄り添うことができる病院。

患者さんの弱さに寄り添い、“being”いつもそこにいることができる新病院。

3 つの H の提供

「Hospitality」 森と一体となった、シュヴァービングカフェで静寂で温かみのある新病院。
「Healing」 月日と共に風合を感じる自然素材を使用。
「Hope」 豊かな緑や四季を感じるデイルーム、光と大きな空を感じる病棟。

新病院全体が、患者さんのこころに寄り添う環境となる。

日本一のホスピス

恵まれた立地条件を最大限に生かした新病院(緑、光、高低差)。

北海道の風土に配慮したサンルームのある病室を設置することで豊かな病棟環境、長年培ってきたホスピスの事績を最大限発揮するチームケアを重視した環境。

高齢者医療を充実させ、地域包括ケアの核となる病院

地域包括ケアシステムの拠点として、情報交換の場を想定したカフェや、医療知識を深める場として多目的ホールなどを完備。

スタッフが見守りやすい病棟、回遊廊下は認知症患者さんに対応。